山内グループ 九州大学 カーボンニュートラル・エネルギー国際研究所(I2CNER)      

研究テーマResearch


    
  
  グリコール酸はエネルギー密度が高く安定な化合物であり、貯蔵や輸送が容易な次世代の燃料として期待されている。また、ピーリング剤や生分解性ポリマーの原料として工業的にも広く使われている物質でもある。一方、シュウ酸は大気中のCO2を吸収して成長する植物から得ることができる。従来のグリコール酸の合成プロセスは、高温高圧条件を必要とするか、環境汚染物質となる有機物や塩の排出を伴う。我々は、電力のみを使ってシュウ酸からグリコール酸を連続的に製造する装置の開発に成功した。この技術により、効率的なグリコール酸の製造が可能になるだけでなく、再生可能エネルギーによって作られる電気エネルギーを貯蔵性及び輸送性に優れたグリコール酸に直接的に貯められるようになると期待される。我々は、これまでに、TiO2触媒がシュウ酸からの電気化学的なグリコール酸合成に有効であることを発見した。本研究では、新たに基質透過性を持つ膜-電極接合体とそれを使った、固体高分子型グリコール酸電解合成装置を作製し、この装置を用いることで、不純物を添加せずにシュウ酸からグリコール酸を連続的に製造することに世界で初めて成功した(図1)。

















バナースペース

I2CNER
触媒的物質変換研究部門

山内グループ
グループリーダー:山内美穂

yamauchi@i2cner.kyushu-u.ac.jp